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落款用と公用の印泥を混ぜてみた|理想の色味と「にじみ・裏抜け」を解決するブレンド

昨今はペーパーレス化が進み、ハンコを押す機会が減ったという方も多いのではないでしょうか。
それでも筆者の職場では、まだまだ押印の機会が多くあります。

そのとき、ふと気になってしまうのが「印影の色」です。
別に掠れてさえいなければ実用上は問題ないのですが、どうにも色味にこだわりたくなってしまうのです。

実は数年前、朱色とは少し違った落ち着いた色が欲しくなり、「印泥」をネットで購入したことがありました。
届いた現物を見てみると、好みではあったものの、どちらかというと書画の「落款(サイン)」に合うような焦茶寄りの渋い赤色。
落款を押すような作品を作らない筆者には、なかなか出番がありませんでした。

仕方なく、普段使い用として鮮やかな「公用」の印泥を買い足し、しばらくはそれを使っていました。

しかしある日、ふと思ったのです。
「出番のない焦茶と、鮮やかすぎる公用。この2つを混ぜ合わせたら、自分好みの理想的な色ができるのでは……?」

左が落款などに向いていると思われる赤で、右が公用とされる朱色です。

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混ぜ合わせる前に確認

混ぜ合わせる準備として2つの印泥を観察してみると、使われている「繊維」に面白い違いが見られました。

書画などに使われる落款用の印泥は、きめ細やかでとっても滑らか。上質な「もぐさ」が練り込まれているためか、しっとり感があります。

対して公用の印泥は、一つひとつの繊維が長く、練り混ぜる際に少し重みを感じます。
公用(実務用)としてしっかりとした印影を保つため、丈夫な繊維が使われているようです。

「滑らかで伸びの良い落款用」と、「繊維が長い公用」。
この真逆とも言える質感の2つを混ぜ合わせることで、一体どんな印泥になるのか?

……これはもう、やってみるしかありません。
(※一応、これだけ質の違う印泥同士でも混ぜて問題ないことは、AIのGeminiに確認済みです!)

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実際に混ぜ合わせてみた…

朱色を少し多めにした分量配分で、さっそく混ぜ合わせてみました。

質の違う2種類の印泥だけに、予想通り簡単には混ざってくれません。
かなりしっかりと時間をかけて練り込む必要がありましたが、根気よく混ぜ続けた結果、なんとか全体が馴染み、試し押しができる分量が完成しました。

後々は、ちゃんとした「印泥入れ」に入れて使いたいと思いますが、まずは職場でお試しに使いたいので、適当なケースを百均で見つけてきました。

クリームケースなら、印泥で使われていると思われる「濃縮した植物油」で変性することもないだろうということで、このクリームケースを選びました。

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できた色で押印して比べてみると…

クリームケースに入れて、実際に押印してみました。

左上が落款用、右上が公用朱色、下中央が今回混ぜ合わせたできたもの。

自分としては、満足のいく色になりました。

まあ、微妙すぎて、「どこに違いが?」と言われそうでもありますが…。

なお、検証に使用した印鑑は、撮影用に100円ショップで購入したものです。
掲載している「吉野」という印影は筆者の本名ではなく、特定の個人とは一切関係ありません。

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職場で再確認

出来上がった印泥を職場に持ち込み、これまで使っていたスポンジ朱肉とも比較してみました。

こちらはいわゆる普通の朱肉です。

右が朱肉、左が今回作った印泥の印影です。
朱肉を使っていて気になっていたのは、色味はもちろんですが、写真のような「にじみ」でした。
にじみを防ごうと軽くつけると今度は掠れてしまい、しっかりと付けるとにじんで裏抜けまでしてしまう……という扱いづらさがあったのです。

用紙を裏返した様子です。(※左右が逆になり、左が朱肉、右が今回作った印泥です。)
裏抜けの差は一目瞭然ですね。

今回の混ぜ合わせによって、色味だけでなく、にじみや裏抜けの問題まで一気に解決することができ、大満足の結果となりました!

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朱肉が裏抜けしやすい理由

スポンジ朱肉(一般的な事務用朱肉)を使っていて「なぜか裏抜けしやすい…」と感じたことはありませんか?
実はこれ、朱肉と印泥の「インクの仕組み」と「紙への染み込み方」の違いが大きく関係しています。

  • スポンジ朱肉:液体インク(顔料+サラサラした溶剤)
    スポンジ朱肉には、速乾性を高めるためにサラサラとした低粘度の液体インクが使われています。スタンプした瞬間に紙の繊維の隙間へスッと染み込むため、素早く乾く反面、インクが紙の裏側まで到達して「裏抜け」や「にじみ」が起きやすくなります。
  • 印泥:粘度の高いオイル(精製・濃縮した植物油+もぐさ等の繊維)
    一方、印泥は濃縮した植物油に「もぐさ」などの長い植物繊維がしっかり練り込まれています。非常にドロッとした粘度があるため、紙の表面にとどまって裏まで染み込みにくく、くっきりと美しい印影を保つことができます。

「手軽にすぐ乾く」のがスポンジ朱肉のメリットですが、「にじまず・裏抜けせず・美しい印影を残す」という点では、やはり粘度と繊維のある印泥に大きな軍配が上がります。

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